テーマ
制度種別
受講形態(京カレッジ)
科目コード
科目名
京都の歴史のなかの学問・教育・思想 -多様な資料と手法によるアプローチ-
開講大学名
学内科目コード
学内科目名
京都の歴史のなかの学問・教育・思想 -多様な資料と手法によるアプローチ-
連絡先
社会連携センター事務室
TEL:075-705-2952
E-mail:shakai-renkei@star.kyoto-su.ac.jp
担当教員
京都産業大学 文化学部教員3名
京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員4名
京都産業大学大学院京都文化学研究科修了生2名
開講期間
2024年05月11日(土)~2024年06月01日(土)
1~2講時 09時30分~12時30分(毎週土曜日)
開講曜日・講時
単位数
開講期
授業形態
遠隔授業として実施する
「英語で学ぶ科目」として実施する
受講料
(単位互換履修生は不要)
対象年次
授業定員
単位互換定員
京カレッジ定員
会場
試験・評価方法
超過時の選考方法
別途負担費用
その他特記事項
低回生受講推奨科目
講義概要・到達目標
この講座では、京都産業大学文化学部の教員、同大学院京都文化学研究科の修了生、同日本文化研究所の上席特別客員研究員(京都・観光文化検定試験1級に合格し、同研究所で研鑽を積み、現在も積極的に活動している方々)が講師となり、講義とフィールドワークを実施します。
今回のテーマは「京都の歴史のなかの学問・教育・思想」です。現在の京都が多くの大学を有する「学都」であることはいうまでもありません。歴史的に見ても、平安京の大学寮・大学別曹、古代・中世の寺院、近世の私塾や寺子屋、近代の番組小学校や各種学校・京都帝国大学など、様々な教育機関があり、また様々な学問や思想が展開しました。ここでは、それらの具体的な姿について、史料(古文書・古記録・著作)、文学作品・絵画資料、史跡、雑誌・新聞、聞き取り・フィールドワークなど、各担当者が得意とする素材や方法を用いて追究し、特色を明らかにしたいと思います。
受講者には、これらを通して、京都研究のおもしろさ・奥の深さを感じていただき、さらに自ら調べるための視点・方法などをつかんでもらいたいと思います。
講義スケジュール
5月11日 (土)
≪1コマ目≫ 9:30~11:00
■若松 正志(京都産業大学 文化学部 教授)
「総論:京都の歴史のなかの学問・教育・思想」(90分講義)
この講座のねらい・概要を述べるとともに、総論として、京都の歴史のなかの学問・教育・思想について概観したうえで、江戸時代の朝廷における学問と教養に関して、和歌・雅楽・茶道などを取り上げ、家業や師弟関係にも注目しつつ、その特色と広がりについて講義します。
≪2コマ目≫ 11:00~12:30
■初田 貞明(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「上賀茂神社の神仏習合思想」(45分講義)
京都の世界遺産のひとつであり、葵祭で有名な上賀茂神社は、天武朝に創建された由緒ある神社です。ところが実は同社は、平安時代前期から明治初期まで、神仏習合思想のもとに運営され発展してきました。しかるに、今や京都人でさえ、境内に神宮寺のあったことを知りません。白河上皇や鳥羽天皇らの上賀茂神社境内への塔建立に先立って、神の託宣を受けた初代祢宜男床により弘仁11年(820)に聖神寺が建立され、遅くとも寛弘2年(1018)までには神宮寺も建立され、種々の仏教行事が上賀茂神社に導入・実施されていました。それらの事実を解明します。
■木下 義久(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「夢窓疎石の禅・山水思想」(45分講義)
夢窓疎石は、鎌倉末期から室町初期にかけ、臨済宗の僧・作庭家・漢詩人・歌人として有名です。初め、天台宗・真言宗を学び、のち禅宗に転じ、後醍醐天皇・足利尊氏らの篤信を受けました。甲斐恵林寺・京都天龍寺などを開き、春屋妙葩らの優れた僧を育て、臨済禅最盛の基を築きました。又、天龍寺・西芳寺等の造園に優秀な技術を残し、『夢中問答』ほか著書も多くあります。その著書も踏まえ、禅・庭・漢詩・和歌の話を交え、その思想を読み解きます。
5月18日(土)
≪3コマ目≫ 9:30~11:00
■吉野 秋二(京都産業大学 文化学部 教授)
「平安貴族の子弟教育」(90分講義)
平安時代中期、藤原師輔は「九条殿遺誡(くじょうどのいかい)」を記し、日常生活や宮廷での心得などを子孫に伝えました。本講座では、この史料を足がかりに、『源氏物語』の時代に、貴族がいかに子弟を教育したのか、どのようにして公家社会が形成されたのか考えます。
≪4コマ目≫ 11:00~12:30
■山口 美乃(京都産業大学大学院 京都文化学研究科 修了生・京都府文
化財保護指導委員)
「近代女子教育における阿仏尼作品の揺動-阿仏尼の虚像と実像-」
(45分講義)
阿仏尼の作品『十六夜日記』は、戦前までの中等教育で盛んに教えられ、特に高等女学校において阿仏尼は「良妻賢母の鑑」ともてはやされました。しかし戦後になると阿仏尼像は大きく変化し、『十六夜日記』は教科書から急速に姿を消すことになりました。そこには誰の、どのような意図があったのか、教育界とイメージをめぐる問題も含め考察したいと思います。
■上田 清美(京都産業大学大学院 京都文化学研究科 修了生・元英語塾
経営・講師)
「明治前期における番組小学校の地域行政機関としての役割」
(45分講義)
明治2年に京都に創設された番組小学校は、学童を教育するのみならず、地域行政機関としても機能していました。当時の資料を基に、どのような役割があったのかを明らかにします。また小学校は、住民が啓蒙・教化のために集められ、講釈を聞かされる場所としても活用されていました。このような小学校の活用についても取り上げ、どのように人々の近代化が目指されたかを明らかにします。これらを通して、明治前期の京都の番組小学校の実像に迫りたいと思います。
5月25日(土)
≪5・6コマ目≫ 9:30~12:30
■中江 好喜(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京都の歴史・文化・教育・学問を五感で感じてみよう~日常生活に必須の倫理・学問の探求~」(180分フィールドワーク)
江戸中期の儒学者皆川淇園の私塾である有斐斎弘道館、垂加神道の山崎闇斎ゆかりの下御霊神社、同志社創立者として有名な新島襄の旧宅を中心に、京都御所周辺の京都の学問・教育に関する史跡について、道中の碑にも注目し、詳しい解説を加えながら、歩いてまわる予定です。
6月1日(土)
≪7コマ目≫ 9:30~11:00
■笹部 昌利(京都産業大学 文化学部 准教授)
「岩倉具視-怜悧な思想と京都-」(90分講義)
幕末の朝廷において孝明天皇の侍従として台頭した岩倉具視は、朝幕融和に尽力するも、文久2年(1862)に辞官落飾して洛中を去り、岩倉村に幽棲しました。幽棲中の岩倉は、宮廷社会ひいては幕末の日本を変えるべく、論文を書き続けました。怜悧な異才の思想と行動について考察します。
≪8コマ目≫ 11:00~12:30
■久宗 圭一(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京都学派、その本質と歴史的意義」(45分講義)
最先端科学の研究開発拠点である京都の源流の一つが京都大学です。その思想的DNAの一端として広く知られているのが、西田幾多郎を祖とする、いわゆる京都学派であり、その原点は西洋哲学に東洋的思想・価値観を融合して独自の新たな思想の構築を志向した姿勢といえます。近年ヨーロッパを中心に、京都学派への世界的評価が高まっており、改めて京都学派の本質を捉え直し、現代日本社会への影響も含め、その歴史的意義を明らかにしたいと思います。
■若松 正志(京都産業大学 文化学部 教授)
「全体のまとめと補足―京都産業大学の特徴―」(45分講義)
今回の講座全体を振り返りつつ、昭和40年の創立当初から「将来の社会を担って立つ人材の育成」を掲げてきた、京都産業大学の歴史的展開とその特徴について補足的に述べ、全体のむすびとします。
教科書
参考書
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出願終了
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