テーマ
制度種別
受講形態(京カレッジ)
科目コード
科目名
開講大学名
学内科目コード
学内科目名
連絡先
京都キャンパス教務チーム
TEL:075-414-8160
FAX:075-414-1150
担当教員
開講期間
2024年10月07日(月)〜2025年01月27日(月)
4講時 14時50分~16時20分(毎週月曜日)
※ 講義休止期間2024年12月28日(土)~2025年01月05日(日)
※ 2024/10/14 (月・祝) 講義あり
※ 2024/11/04 (月・祝) 講義あり
開講曜日・講時
単位数
開講期
授業形態
遠隔授業として実施する
「英語で学ぶ科目」として実施する
受講料
(単位互換履修生は不要)
対象年次
授業定員
単位互換定員
京カレッジ定員
会場
試験・評価方法
平常点は授業参加度30%
期末レポート試験70% 合計100%
本やネットを丸写ししたレポートは認めない。
超過時の選考方法
別途負担費用
その他特記事項
低回生受講推奨科目
講義概要・到達目標
【講義概要】
現代の世界を理解する上で、日本を含む地球上の各地域社会と、その社会が歩んだ歴史に根ざした思想や哲学、宗教について内容を理解し、基礎的な知識を身につける。特に西欧やアジアにおいて発展した世界宗教、世界諸地域で展開した信仰、また日本や中国、ヨーロッパにおける哲学思想について概説し、それらが現代世界においてどのような役割を果たしているのかを考えられる知見を身につけることを目指す。
欧米のキリスト教社会と神仏習合した日本の宗教的社会を次の3点にわたって考察する。
1.魔女狩り。日本人が宗教的におおむね寛容であるのに対し、欧米のキリスト教は古代ゲルマン信仰や古代ケルト宗教を徹底的に弾圧した。そこに16・17世紀の魔女狩りが起きた。魔女狩りは17世紀末に終息したが、弾圧の伝統は、その後も赤狩りやホロコースト(ナチズム)や人種差別となって残りつづけ、今日にいたっている。
2.聖ニコラウス祭とシンデレラ。魔女狩りの嵐のなかで弾圧されたはずの古代ゲルマン信仰は、聖ニコラウス祭のなかに生きつづけた。聖ニコラウスはサンタクロースの原形である。しかも聖ニコラウス祭は、日本の「なまはげ」や「節分祭」とよく似ている。聖ニコラウス祭のなかには、失われたはずの古代ゲルマン信仰が生きている。
3.明治日本の宗教政策。日本は欧米とは違い、本来「宗教的に寛容」だったが、明治維新後、日本は「宗教的に不寛容」な道を選択した。キリスト教の侵入を恐れた明治政府は神仏分離令を発令し、神道の一部を特別扱いして、国家神道を創出した。宗教に、欧米のキリスト教のようなイデオロギー的性格をもたせるためである。日本の伝統的な神仏習合と大きく異なる国家神道は、日本を第二次大戦へと導いていった。第二次大戦後、国家神道は廃止された。だが、日本人の心はすでに心が空っぽになっていた。そんな日本人の心のなかには、オウム真理教や統一教会等の危険なカルト宗教が入り込みやすかった。明治維新以降の日本の近代史を、宗教の点から考察する。
【到達目標】
日本人の多くは、正月には神社に初詣に行き、結婚式は神社や教会で挙げ、葬式は仏教寺院で行う。欧米人の眼には無節操と見られるかもしれないが、これが日本人の宗教である。日本人は昔から特定の宗教に偏するのを危険視してきた。実際、戦前の国家神道、平成のオウム真理教、現在の旧統一教会などに振り回されてきた人たちの悲劇をわれわれは数多く見聞している。
だが、人間は宗教なしに生きることはできない。宗教心を失うことは「心」を失うことに等しい。特定の宗派に属す必要はないが、宗教心をもつことは大切である。戦後のドイツの小学校では週に2回、「宗教」の時間があり、その時間になると、生徒たちはプロテスタントかカトリックかイスラム教の教会に赴き、司祭の話を聞く。「宗教」の授業は生徒に、特定の宗教への入信を強要することはない。宗教心が大切だと説くだけである。ドイツ政府はそのような授業を通して、どのような宗教が普通であり、どのような宗教が普通ではないのか、判断する力を国民につけさせ、二度とナチズムのような蛮行を認めることがないように努めている。
この授業でも、みなさんに宗教心の重要性を知ってもらい、どのような宗教が危険なのかを見分ける力をつけてもらいたいと願っている。
講義スケジュール
第1回 日本の神仏習合と欧米のキリスト教社会
第2回 魔女狩り(1)「魔女」のルーツ
第3回 魔女狩り(2)魔女狩りは中世ではなく近代の産物
第4回 魔女狩り(3)魔女狩りとベナンダンティ
第5回 魔女狩り(4)ゲーテ『ファウスト』第一部に描かれた魔女狩り
第6回 魔女狩り(5)アーサー・ミラー『るつぼ』とアメリカの魔女狩り
第7回 聖ニコラウス祭(1)オーディンから聖ニコラウスへ
第8回 聖ニコラウス祭(2)クランプスとシャープ、死の世界との交信
第9回 聖ニコラウス祭(3)聖ニコラウス祭となまはげ
第10回 聖ニコラウス祭(4)聖ニコラウスからサンタクロースへ
第11回 聖ニコラウス祭(5)シンデレラと聖ニコラウス祭
第12回 明治日本の宗教政策(1)神仏分離令と廃仏毀釈
第13回 明治日本の宗教政策(2)文明か文化か
第14回 明治日本の宗教政策(3)啓示宗教と自然宗教
第15回 明治日本の宗教政策(4)国家神道と「空っぽの日本」
教科書
参考書
【参考図書】高橋義人『魔女とヨーロッパ』岩波書店、2015年。
義江彰夫『神仏習合』岩波新書、1996年。
高橋義人『グリム童話の世界』岩波新書。
出願開始
出願終了
承認結果公開日