テーマ
制度種別
受講形態(京カレッジ)
科目コード
科目名
開講大学名
学内科目コード
学内科目名
連絡先
社会連携推進機構
TEL:075-705-2952
E-mail:shakai-renkei@star.kyoto-su.ac.jp
担当教員
京都産業大学 文化学部教員3名
京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員7名
開講期間
2025年05月10日(土)~2025年05月31日(土)
1~2講時 09時30分~12時30分(毎週土曜日)
開講曜日・講時
単位数
開講期
授業形態
遠隔授業として実施する
「英語で学ぶ科目」として実施する
受講料
(単位互換履修生は不要)
対象年次
授業定員
単位互換定員
京カレッジ定員
会場
試験・評価方法
超過時の選考方法
別途負担費用
その他特記事項
低回生受講推奨科目
講義概要・到達目標
この講座では、京都産業大学文化学部の教員と、本学の日本文化研究所の上席特別客員研究員(京都・観光文化検定試験1級に合格し、同研究所で研鑽を積み、現在も積極的に活動している方々)による、講義とフィールドワークを実施します。
今回のテーマは「京都の歴史のなかの食文化の諸相」です。京都の文化には、伝統的な面と革新的な面があるとしばしばいわれていますが、食文化においても、「和食」の基礎につながる伝統的な面と、新たな時代・状況に対応して作られた革新的な面があります。そして、京都の食文化といえば、海から離れた地理的条件、豊かな水の利用、寺院と関わりの深い精進料理、仕出し料理、家庭料理から展開したおばんざい、行事食、和食、和菓子、パン消費量日本一など、様々なことが思い浮かびます。今回は、このような京都の歴史のなかの食文化について、多様な側面と特色を描きたいと思います。
受講者のみなさんには、京都研究のおもしろさ・奥の深さを感じていただき、さらに自ら調べるための視点・方法などをつかんでもらいます。
講義スケジュール
5月10日 (土)
≪1コマ目≫ 9:30~11:00
■若松 正志(京都産業大学 文化学部 教授)
「総論:京都の歴史のなかの食文化」(90分講義)
この講座のねらい・概要を述べるとともに、総論として、京都の歴史のなかの食文化を概観したうえで、和食や和菓子が成立するとされる江戸時代を中心に、また海外との関係や海藻にも注目し、講義します。
≪2コマ目≫ 11:00~12:30
■久宗 圭一(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京都の食文化を生み支えた水の力」(45分講義)
京都と水との深い関わりの歴史を概観したうえで、京都ならではの水の力によって、どのように京都独自の食文化が生み出され、育まれてきたかを論じます。具体的には、京野菜、茶道、日本酒、コーヒー/喫茶店、錦市場を取り上げて掘り下げていきます。
■山本 茂博(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京の食文化と豆腐-「新京都豆腐百珍」-」(45分講義)
遣唐使により我が国に伝来した豆腐は、江戸時代中期に発刊された料理本『豆腐百珍』の爆発的なヒットを機に、幅広く全国の市民社会に定着しました。一方、禅宗寺院で精進料理に活用された豆腐は、茶懐石料理、本膳料理などとも結合して京料理に欠かせぬ食材となりました。特に、禅刹とリンクした「湯豆腐」は、もはや京の名物料理のひとつです。そのあたりの歴史的経緯を踏まえつつ、京の食文化を解説します。
5月17日(土)
≪3コマ目≫ 9:30~11:00
■吉野 秋二(京都産業大学 文化学部 教授)
「王朝貴族の饗宴と酒」(90分講義)
『源氏物語』の時代、王朝貴族はどのように酒を飲んでいたのか、酒宴は宮廷社会においていかなる意味を持ったのか。 藤原道長が「望月の歌」を詠んだ寛仁二年十月の藤原威子立后饗の穏座(二次会)を素材に考えます。
≪4コマ目≫ 11:00~12:30
■森島 克一(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「近代女子教育における阿仏尼作品の揺動-阿仏尼の虚像と実像-」
(45分講義)
今日では京都の代表的な名物とされる、にしんそばの発祥やその独自性に関する巷説について、時代背景や郷土食の分布から改めて検討します。また、にしんそばの食文化に関しては、これまで、始末の精神や食材の取り合わせ、調理の工夫に関心が向けられてきた一方、具材の安定供給を支えてきた流通の重要性にはあまり注意が払われてこなかったことを踏まえ、本講では、身欠き鯡の流通に着目します。
■木下 義久(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「祇園祭の「鱧」」
(45分講義)
夏真っ盛りの京都で行われる祇園祭は、鱧祭とも呼ばれます。鱧は、外見は鰻に似ているが、生命力が強く、水揚げされて半日位なら、充分生きることができます。鱧の骨切りは、京料理の板前の腕の見せ所であり、鱧は、瀬戸内海でよく獲れる白身魚で、淡白な中に濃厚な味わいがあります。祭のある7月上旬のはも道中では、鱧が淡路島から八坂神社へ献上されこともあり、今回は、そのような祇園祭の鱧に注目し、講義を行います。
5月24日(土)
≪5・6コマ目≫ 9:30~12:30
■中江 好喜(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京の食文化をみる・あじわう・感じる」(180分フィールドワーク)
京都の食の台所である京都市中央市場の水産棟と京の食文化ミュージアムあじわい館で、現場の専門家からお話をうかがうとともに、食文化の体験も含むフィールドワークを実施します。
5月31日(土)
≪7コマ目≫ 9:30~11:00
■笹部 昌利(京都産業大学 文化学部 准教授)
「幕末京都と旅メシ」(90分講義)
江戸時代の京都には、他所から多くの人びとが訪れました。それが、旅行であれ、仕事であれ、供される食が人びとの胃袋を満たし、活力を与えました。ここでは、幕末の京都を訪れた2人(新選組へと成長した浪士組の生みの親、清河八郎と将軍上洛に際し京を訪れた幕臣伊庭八郎)に光を当て、食事を含めた彼らの行動を確認し、幕末京都とは如何なる空間であったのかを考えていきます。
≪8コマ目≫ 11:00~12:30
■谷口 泰朗(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「京都山国地区の鮎献上についての歴史的社会的考察」(45分講義)
今は右京区京北の一部となっている山国地区は、古くから朝廷とのつながりを持っていた地区で、上桂川で獲れた鮎を朝廷に届ける奉仕も担っていました。これは元々地区の有力者が独占する特権でしたが、近世には鮎の商品価値が高まり、新たに鮎漁の権利を得ようとするものが現れます。そうした状況を明らかにするとともに、食材としての鮎にスポットを当て、それが地域社会や歴史に影響を与えた側面について考察します。
■奥村 恵子(京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)
「文学作品にみる京都の名店-川端康成『古都』より-」(45分講義)
京都の食文化を考えるうえで、京都を舞台にした文学作品に登場する料理や食材、店に注目します。特に川端康成『古都』には「森嘉の豆腐」、「すっぽん屋、大市」等、京都にある具体的な店舗名や料理名が登場します。作品が書かれた昭和30年代の背景を考えながら、京都を舞台にした他の作家の作品も参照して、のちの時代に与えた影響の有無を探ります。
教科書
参考書
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